僕と彼女の宗教戦争 第20話 意地

第19話 はこちら。

年末年始のお休みに、僕と彼女は僕の実家に顔を出した。毎年1月2日の夕方から顔を出すのが恒例になっていて、父や母もそのつもりで待っている。

以前、成り行きで相談に乗って iPad Air と iMac を購入 していた僕の両親は、僕をサポートセンターと思っているのか、僕が顔を出すとまず助けを求めてくる。

ちょっと助けて

と言っても助けを求めるのはいつも母。僕が実家にいるときから、自分がわからないと聞いてくる。ただ聞くだけではなく、書籍を買ってきて学ぼうとする姿勢は還暦を過ぎた今でも変わらない。

iPad Air の基本的な使い方はすでにマスターしていて、僕と彼女が撮った犬の写真を iCloud写真共有 で眺めるのを楽しみにしている。

『ちょっと助けて』

と母に言われて今回は Amazon での買い物をレクチャー。年金暮らしの高齢者にとっては、安く買えて自宅まで届けてくれる Amazon を利用できるか否かはこれからの生活に差が出てくるだろう。

これってできるの?

ここまでできるとなにも聞く必要はないじゃないかと思うかもしれないが、新たに見つけることは苦手のよう。

『これってできるの?』

と聞かれたのは、自宅でラジオの電波がよくないから、なにかいい方法はないか。

公共放送局限定でアプリの名前も知っていたので、App Store の検索方法とアプリの簡単な使い方を一緒に確認。

必ずメモを取る母は、数回繰り返せば身につけてくれるので僕としては教え甲斐もあるのだ。

わかってるよ

一方 iMac を買った父は、そのまま放置している。母とは違ってわからなくても僕に聞くことはしない。

バージョンアップやメンテナンスはひと通り教えたが間違いなくやっていない。それでも父は

『わかってるよ。』

となんでもわかっていると言いたげに意地を張るのだ。

iMac だって趣味の写真を保存して見るだけの使い方しかしていないだろう。いや、それすらしていないかもしれないと思うとかなしくなってくる。

わからないと言いたい

なんで素直に言えないんだろうな。親としての威厳を保ちたいのかな。とも思いつつ、威厳なんてとうの昔に消え失せているのを感じていない父。

それに対して、わからないことはわからないと素直に言い、新しい知識を身につけていく母。

頑固おやじにはなりたくない。わからないことはわからないと言いたいな。

帰り道、そんなことを彼女と話しながら愛犬の待つ家に戻るのだった。

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