僕と彼女の宗教戦争 第2話 羨望

Fake Apples and Boy with Beachball
Fake Apples and Boy with Beachball Photo by eddieq

第1話はこちら

『もう触れることはないのか…。』

あれ以来、Apple製品に触れることなくずっと過ごしてきた。

そんなある日、Appleからある新しい商品が発表された。

そう、iPodだ。

2001年に発表されたiPodはデジタルオーディオプレーヤーの歴史を塗り替えることになる。

その当時、僕が持っていたMDは廃れていく運命にあったが、まだ経済的な余裕もなかった僕はすぐに買い替えることはできなかった。

その後、iPod mini、iPod shuffleと次々に新しいモデルが登場したものの、僕と彼女が手にすることはなかった。

手にしなかったのにはいくつか理由があった。

大きさや値段。もちろん、タイミングが合わなかったのもある。

しかし、それを覆すものが現れた。そう、iPod nanoだ。

『やっと手に入れた…。』

その大きさや容量、価格。

僕と彼女が望むちょうどいいサイズのiPod nano。

初めてMacに、Apple製品に触れてから7年半。

やっとApple製品を手に入れることができた。

しかし、これを使うのは僕ではない。彼女だ。

僕にはまだMDがあった。

それにPCだってVAIO。

家のコンポだってSONY。

Apple製品に触れられない代わりに、僕の周りにはSONYが溢れかえっていた。

『いつかは僕も…。』

僕が使いたいと思うものを彼女が先に使っている。

その事実は変わることはない。

『うらやましいな。いつかは僕も…。』

そう、思いながらせっせとダビングを続けていたある日。

事件は起こりました。

第3話に続く…。